東京のマンションを、長く住む視点で見極めるために。
設計に携わる者の目で、カタログには書かれていない大切なポイントを、
分かりやすくお伝えしていきます。
東京都は2026年10月6日、「令和8年8月の新設住宅着工」を公表した。都内の8月の新設住宅着工戸数は9,754戸で、前年同月比14.2%増、5か月連続の増加。利用関係別では、持家が1,177戸(11.6%増)、賃貸用の貸家が5,879戸(26.1%増)で、ともに5か月連続で増えた。分譲住宅は2,662戸(2.4%減)で2か月連続の減少。その内訳は、マンションが1,111戸(16.8%減、2か月連続の減少)、一戸建てが1,522戸(12.6%増、5か月連続の増加)だった。
地域別(持家・貸家・分譲などを合わせた住宅全体)では、都心3区(千代田・中央・港)が254戸(130.9%増、4か月連続の増加)、都心10区が2,106戸(27.3%増)、区部全体が7,729戸(15.1%増)、市部が2,002戸(11.0%増)で、都心10区・区部全体・市部はいずれも5か月連続の増加となった。
都の資料「新設分譲住宅着工戸数の推移」で直近12か月(2025年9月〜2026年8月)を合計すると、分譲マンションは19,078戸(表の増減率は23.0%減)、分譲の一戸建ては17,547戸(同9.3%増)。月ごとに見ると、2026年4月は1,349戸(前年同月比107.2%増)、5月は1,699戸(同54.7%増)と前年を大きく上回った月もあり、振れ幅は大きい。着工はこれから建つ住まいの数で、その月に売り出される戸数とは一致しない。
都内では新しい分譲マンションの計画が減る一方で、賃貸や一戸建ての計画は増えています。住みたい街で探すときは、新築マンションだけに絞らず、新しい賃貸や中古、一戸建ても並べて見ると、選べる幅がぐっと広がります。
小田急不動産は2026年10月7日、東京都世田谷区宮坂3丁目の新築分譲マンション「リーフィアレジデンス経堂」の第1期販売を10月3日に始めたと発表した。鉄筋コンクリート造の地下1階・地上10階建で、総戸数は120戸(住戸119戸・店舗1戸)。第1期は25戸で、登録期間は10月3日〜11日。価格は1億1,948万〜2億4,748万円、最多価格帯は1億6,000万円台(7戸)、間取りは2LDK・3LDK、専有面積は53.87〜76.38㎡。設計・施工はフジタで、竣工は2028年5月中旬、引き渡しは同年7月下旬の予定。
小田急小田原線「経堂」駅から徒歩6分で、発表では「新宿」駅まで14分としている。約43,000㎡の複合商業施設エリア「経堂テラスガーデン」(2011年完成)の中にあり、外観は、小田急線の旧電車基地跡地という土地の記憶から着想したレンガタイルを基調にする。発表によると、「経堂」駅が最寄りで総戸数100戸を超える分譲マンションは2006年以来20年ぶり(MRC調べ)。2026年4月の公式サイト公開以降、物件へのエントリーは9月30日時点で3,100件を超えたという。
敷地は2,788.80㎡。敷地内に遊歩道と四季の植栽を整え、歩行者と車の動線を分ける。2つのエントランスから入れるラウンジや、ふだんからアート作品を楽しめる「ローカギャラリー」を設け、ハイルーフ対応の機械式駐車場35台と駐輪場154台は建物の中に収める。各居住階には防災備蓄機能付きの戸別宅配ロッカーを置く。
経堂は、駅のまわりに商店街が広がり、歩いて毎日の買い物が片づく街です。昔の電車基地の跡が、通り抜けられる遊歩道と緑のある場所に変わっていくのは、これから住む人だけでなく、まわりで暮らす人にとってもうれしい変化だと思います。
平和不動産は2026年10月7日、墨田区向島5丁目の賃貸マンション「HF押上レジデンスⅡ」が9月30日に竣工したと発表した。鉄筋コンクリート造の地上7階建・19戸(共同住宅・集会室)で、間取りは全戸2LDK、専有面積は49.85〜59.83㎡。敷地は302.26㎡、延床面積は1,307.32㎡、設計・施工は生和コーポレーション。同社の賃貸マンション「HFレジデンス」シリーズの10棟目になる。
都営浅草線・東京メトロ半蔵門線・京成押上線「押上」駅から徒歩12分、東武スカイツリーライン「曳舟」駅から徒歩11分。発表では「浅草」駅まで約3分、「大手町」駅まで約17分とし、東京ソラマチの店舗も使えるとしている。全戸を50㎡前後の広めの2LDKとし、東京都の「東京こどもすくすく住宅認定制度」のセーフティモデルの認定を受けた。
都の事業者向け説明会資料(令和8年5月)によると、この制度は、転落防止など子どもの安全が確保され、快適に子育てできる間取りや設備、住む人どうしの交流づくりなどの工夫をした住宅を都が認定するもの。認定は、安全性に特化した「セーフティ」、事業者が設備を選べる「セレクト」、交流づくりなど暮らし方の面も重視する「アドバンスト」の3段階。取組の例として、エアコンの室外機が足がかりにならないよう手すりとの距離を取る、浴室の鍵を子どもが届かない高い位置に付ける、などを挙げている。新築の賃貸住宅への補助の上限は1戸あたりセーフティ50万円・セレクト100万円・アドバンスト200万円で、令和7年度からは戸建て住宅も対象になった。
子育ての住まい選びでは、部屋の広さに加えて、ベランダやお風呂まわりの安全、近くの公園や保育園までの道のりも大切です。押上は下町の商店街とスカイツリーのお店の両方が使える街なので、子どもとの散歩が楽しい場所だと思います。
「クラッシィハウス中野新井薬師前」は、住友商事と川口土木建築工業が東京都中野区上高田3丁目で分譲するRC地上5階建・全54戸のレジデンス。施工は川口土木建築工業、販売提携は住商レジデンシャル。いま販売しているのは2つで、先着順の5戸は2LDK+S(納戸)〜4LDK、68.02〜93.07㎡、1億1,890万〜1億7,490万円。再登録の1戸は3LDK・65.49㎡・9,990万円(テラス24.6㎡付き)で、受付は9月19日〜12月12日、抽選は12月12日。完成は2026年10月下旬、引き渡しは2027年2月下旬の予定。
西武新宿線「新井薬師前」駅徒歩6分、東京メトロ東西線「落合」駅徒歩12分、都営大江戸線「東中野」駅徒歩14分、JR中央・総武線「東中野」駅徒歩15分、JR「中野」駅徒歩18分。売主によると、「落合」駅から「大手町」駅へ直通17分(平日の通勤時)。新井薬師駅商店街まで徒歩6分(約480m)、「中野」駅北口まで地図上の直線で約1km圏。用途地域は近隣商業地域・第一種中高層住居専用地域で、売主は「新井薬師前」駅で東京都・中野区・西武鉄道による線路の地下化が進んでいると案内している。
敷地は2,019.5㎡で、土地の形を生かした3棟構成に全19タイプの間取りを用意する。敷地内の駐車場は9台(機械式8台・身障者用平置1台)、駐輪場は108台。先着順住戸の管理費は月2万490〜2万8,040円、修繕積立金は月1万1,470〜1万5,690円。
新井薬師前は、新井薬師の境内や駅前の商店街に昔ながらの雰囲気が残りつつ、中野駅のにぎわいにも歩いて行ける街です。駅のまわりがこれから少しずつ変わっていく様子を、近くで見守れる場所だと思います。
「プラウド成城コート」は、野村不動産が東京都世田谷区成城9丁目で分譲するRC地上6階地下1階建・全54戸のレジデンス。施工は木内建設。建物は2026年4月に竣工している。いま販売中の先着順の9戸は2LDK・3LDK、66.36〜113.05㎡(別に専有のサイクルガレージ5.29〜5.31㎡)、1億2,580万〜1億6,880万円。引き渡し可能時期は2027年3月下旬の予定(SUUMO表記)。この9戸の管理費は月3万1,170〜5万410円。
小田急線「成城学園前」駅徒歩15分。用途地域は第一種低層住居専用地域(一部、第一種中高層住居専用地域)で、3方が道路に面する角地。売主の案内では、「せたがや百景」にも選ばれた桜並木沿いにあり、駅までは桜並木が続く平らな道。成城北口商店街まで徒歩15分(約1,160m)、成城ゴルフクラブまで徒歩4分(約310m)で、祖師谷公園や世田谷区立千歳小学校も近くにある。
80㎡超の住戸が中心で、1階はすべて110㎡超のメゾネット(上下2層)住戸。地下には各住戸2台分の「サイクルガレージ」を全戸分用意する。外観は、成城の街づくりの指針「成城憲章」をふまえたとしている。物件概要には「敷地の一部に都市計画道路の計画があります」との注記があり、申込登録と購入は同一関係者あたり2戸までとしている。
成城は、生け垣や庭木が道沿いに続き、住む人たちが街並みを大切に守ってきた住宅地です。駅から少し歩くぶん、桜並木の道を毎日の行き帰りに楽しめるのが、この場所ならではのぜいたくだと思います。
「アトラス亀戸レジデンス」は、旭化成ホームズが東京都江東区亀戸3丁目で分譲するRC地上14階地下1階建・全52戸(事業協力者取得住戸6戸を含む)のレジデンス。施工は森組・旭化成ホームズコンストラクション特定建設共同企業体、販売提携はJR東日本伊藤忠ハウジング。建物は2025年10月30日に完成しており、実際の部屋や日当たりを見てから選べる「建物完成後販売」。いま販売中の先着順の9戸は2LDK・3LDK、55.14〜65.46㎡、8,498万〜1億1,988万円。この9戸の管理費は月2万2,490〜2万6,700円、修繕積立金は月7,440〜8,830円。
JR総武線・東武亀戸線「亀戸」駅徒歩8分、東京メトロ半蔵門線「錦糸町」駅徒歩14分、JR総武快速線「錦糸町」駅徒歩17分。用途地域は商業地域(防火地域)。売主によると、「亀戸」駅北口から徒歩10分以内の新築分譲マンションは約10年ぶり(MRC調べ・2025年6月時点)。
敷地は531.29㎡とコンパクトで、共用廊下は建物の中を通る内廊下。売主によると全52戸のうち39戸が角住戸で、今回の9戸のうち8戸が角住戸。屋上には住む人が使えるルーフトップテラスがあり、売主は屋上から北西方向に撮った隅田川花火大会の写真(CG加工)を載せている(眺めは住戸により異なり、将来の保証はない)。敷地内の駐車場は9台、駐輪場は98台。
亀戸は、亀戸天神の藤や梅、駅前の商店街など、歩くと下町の楽しみが次々に見つかる街です。錦糸町の大きなお店も使えるので、毎日の買い物と週末の散歩の両方を楽しめる場所だと思います。
「ビアレ北浦和」は、JR東日本伊藤忠不動産開発がさいたま市中央区新中里1丁目で分譲するRC地上7階建・全107戸のレジデンス。施工は長谷工コーポレーション、販売提携は長谷工アーベスト。第2期1次は10月下旬に販売を始める予定で、販売戸数と価格は未定。SUUMOの間取り・面積は第2期1次以降に販売する住戸すべて(49戸)の数字で、2LDK〜3LDK、55.63〜70.24㎡。完成は2027年2月、引き渡しは2027年3月の予定。
JR京浜東北線「北浦和」駅徒歩10分、JR埼京線「南与野」駅徒歩13分。用途地域は第一種中高層住居専用地域。売主は、JR東日本不動産と伊藤忠都市開発の統合で2026年10月1日に発足した会社で、この物件をJR東日本グループの住まいの新ブランド「BIARE(ビアレ)」の第1弾としている。
敷地は3,686.11㎡。敷地内の駐車場は56台(月4,000〜1万8,000円)、駐輪場は193台。24時間ゴミを出せるゴミ置場、ペットの足洗い場、EV(電気自動車)充電設備3台を設ける。売主によると「ZEH-M Oriented」と「低炭素建築物」の2つの認定を取得。モデルルームでは、3LDKを2LDK+DEN(小部屋)に変えたKタイプを公開している。
北浦和は、駅の近くに北浦和公園と県立近代美術館があり、落ち着いた文教の雰囲気がある街です。京浜東北線で大宮にも東京方面にも出やすいので、子どもの成長に合わせて長く暮らしたい家族に合う場所だと思います。
2026.09.10
目黒区
【目黒区】プラウド自由が丘ヒルトップ|自由が丘駅徒歩10分・全31邸・2〜3LDK|建築士が見た"丘の上の全邸南向き"
→
2026.09.08
文京区
【文京区】ブランズ護国寺富士見坂|護国寺駅徒歩2分・全36邸・3LDK|建築士が見た"護国寺の杜と36邸の密度"
→
2026.09.07
荒川区
【荒川区】バウス日暮里|日暮里駅徒歩6分・全83戸・2〜3LDK|建築士が見た"2駅7路線と再開発前夜"
→
2026.08.29
豊島区
【豊島区】プラウドタワー池袋|東池袋駅3分・全620戸・1〜3LDK|建築士が見た"再開発南街区という設計の必然"
→
2026.08.28
大田区
【大田区】シティテラス下丸子|下丸子駅徒歩8分・全233邸・2〜3LDK|建築士が見た"配棟の作法"
→
本セクションには広告(アフィリエイト)リンクが含まれます。掲載サービスは編集部で実際に利用または信頼性を確認したものに限定しています。
はじめまして、ryoと申します。一級建築士として、集合住宅・分譲マンションの設計に携わっています。
図面を描く仕事を通じて学んだのは、「住まいの良し悪しは、カタログやモデルルームの印象だけではわからない」ということ。構造・管理・立地、そして長く住むための見極め方——設計の現場から見えている景色を、できるだけ平易な言葉でお届けします。
上質なマンション選びのパートナーとして、このノートがお役に立てば幸いです。